例えばラベンダー・アングスティフォリアは◯◯に使うと良いらしい、サイプレスは◯◯に…など一度は耳にしたことはありますよね。
しかし、なぜ◯◯に良い(お薬ではないですし、自己責任な部分もありますが…)のでしょうか?
その理由は今回お話する芳香成分が関わってきます。それでは、精油に含まれている「芳香成分の効能」についてお話していきましょう。
精油を学ぶには化学的なこともある!精油の芳香成分の分類と主な効能
精油を細かいところまで学ぼうとなるときっと化学的なことも学ぶことになります。ここでは、様々な芳香成分の分類とそれらの主な効能(作用)のお話です。
芳香成分の分類とその主な効能
- モノテルペン炭化水素類:抗炎症・抗ウイルス・抗菌作用。浮腫が気になる時などにもオススメ。
- セスキテルペン炭化水素類:鎮静や抗炎症。
- モノテルペンアルコール類:抗菌・抗ウイルスや免疫調整。
- セスキテルペンアルコール類:強壮・刺激・ホルモン様作用(ホルモンが分泌された時のような作用)。
- ジテルペンアルコール類:強壮・刺激・ホルモン様作用(エストロゲンに似た作用)。
- エステル類:神経バランス回復・鎮静・鎮痛・抗炎症・血圧降下。
- ケトン類:粘液溶解・脂肪溶解・胆汁分泌促進。
- フェノール類:抗菌・抗ウイルス・免疫刺激。
- フェノールメチルエーテル類:抗炎症・抗ウイルス。
- テルペン系アルデヒド類:抗炎症・鎮痛・消化促進・血圧降下。
- 芳香族アルデヒド類:抗菌・抗ウイルス・抗寄生虫・免疫刺激・神経強壮。
- 酸化物類:免疫調整・抗菌・抗ウイルス。
- ラクトン類:粘液溶解・脂肪溶解・瘢痕形成。
- カルボン酸類:抗炎症。
…とザッとお伝えしようともお話しきれないほどの数の効能(作用)があり、よく見てみると「ホルモン」に似た効能を持つ芳香成分類もあるんですよ。
植物が自らの身を守るために様々な芳香分子を創り上げ、私たちの役にも立ってくれているということがわかります。
含まれる芳香成分と分子からラベンダー精油の効能を見てみよう
ここからは芳香成分と(芳香)分子から精油の効能についてお話していきますよ。
精油にまだあまり知らない方でも知っている「ラベンダー・アングスティフォリア」に含まれる芳香成分と分子を例に挙げて効能を見ることにしましょう。
ラベンダー・アングスティフォリアの芳香成分類と(芳香)分子
- モノテルペンアルコール類:リナロール、ボルネオール
- エステル類:酢酸リナリル、酢酸ラバンジュリル
- モノテルペン炭化水素類:cis-β-オシメン、trans-β-オシメン
- セスキテルペン炭化水素類:β-カリオフィレン
- ケトン類:オクタノン-3
ラベンダー・アングスティフォリアの中で注目したい成分はモノテルペンアルコール類の「リナロール」とエステル類の「酢酸リナリル」で、含有率はそれぞれ30〜50%、25〜45%と大きな割合を占めていますよね。
これらの分子の働きは鎮静・鎮痙攣・抗不安作用に優れています。また、リラックス効果が期待できることもあり神経系のバランスを取り戻すことにも役立つ作用があります。
ほんの一部だけの芳香成分と分子を見ただけですが、まだまだ働きはあるんです(話し切れない! 精油は分子の集合体…本当にたくさんの効能も持ち合わせているんだなあと今さら感じています…)。
芳香成分の効能についてのまとめ
*精油を学ぶには化学的なこともあります。精油の様々な芳香成分類とその主な効能について知りましょう。
*精油に含まれる芳香成分と(芳香)分子からその効能をラベンダー・アングスティフォリアを例に。ラベンダー・アングスティフォリアにはリナロールや酢酸リナリルが含まれ、鎮静・鎮痙攣・抗不安作用などがあります。
芳香成分…分子…はじめて勉強する時はもう訳がわからない!! と若干混乱をしていました。しかし、アロマテラピーを学んでいき、もっと深いところを知りたいとなるとこれは通らずにはいられないものです。
ほんの少しだけ知識として留めておくだけで多いに役立ちますので、ぜひ精油の芳香成分たちも知っておくといいかもしれません。