色々なお店で「アロマ」という文字をよく見かけるようになりましたね。しかし、実際にその香りを嗅いでみると精油とは全くの別物であったりします。これにはとても残念な気持ちになることがあります。
アロマテラピーを行う際に精油がなくては始まりません。アナタは精油がどのような場所や方法で作られているのかと考えたことはありますか。今回は「精油の作られ方」についてほんの少しお付き合いくださいね。
精油の作られ方を知る前に…! そもそも精油はどのようなもの?
精油の作られ方を知る前に…少しだけ「精油がどのようなものなのか」おさらいも含め、知っておきましょう。
精油とは
植物の花や葉、果皮、樹脂などから香りの成分(芳香成分)を抽出したもので、その集合体です。成分の添加や除去を一切していない100%天然で純粋なもののこと。
定義は様々なものがありますが、「植物から得られる100%天然の香り成分を集めたもの」が精油と言えることは確かでしょう。
精油の作られ方には3種類ある。それぞれの特徴や抽出の仕組み
いよいよ本題である「精油の作られ方」について進みます。植物の花や葉を摘み取ったり、すり潰してみた時にいい香りがした記憶はありますか? 精油が作られる方法はこのように植物を絞るだけなのでしょうか?
ここでは精油の主な作られ方についてお話します。
精油の作られ方とその特徴
1 水蒸気蒸留法
原料である植物(花や葉、枝etc)を蒸留釜に入れ、そこに水蒸気を通します。そうすることで植物が持っている香りの分子が遊離、気化し水蒸気と共に上昇します。
その蒸気を冷却管で冷やして液化させると香りの分子は水に溶けず、水より軽い性質があるため上に集まります。この上に集まった香りの分子を水と分離させることにより「精油」が得られます。
私たちが手に取る精油の多くがこの水蒸気蒸留法で抽出されています。
精油を分離した後の水は分離の際に残っている僅かな精油によりとてもいい香りがします。きっとご存知の方も多い、芳香蒸留水として利用されていますよね。
2 圧搾法
ミカンの皮を剥いた時、皮からいい香りが…という体験、誰もがあると思います。圧搾法はまさにそんな方法です。
主には柑橘系の果皮を抽出する圧搾法は、果皮を潰して香りの成分を抽出します。
3 溶剤抽出法
植物の芳香成分を油脂(牛脂や豚脂)、有機溶剤などを使用して抽出する方法です。熱や圧力、水分に弱い非常に繊細な植物に用いられます。
溶剤抽出法で得られるものとしてはローズ・アブソリュートやジャスミン・アブソリュートがあり、どれも素晴らしく優雅な香りのする精油たちですよね。
手に取る際にチェックしてみて! 精油たちを抽出方法ごとに見てみよう
精油を手に取る際にぜひチェックしていただきたい抽出方法。最後に抽出方法別に代表する精油たちを挙げていきますので、今アナタの手元にある精油たちを見てみましょう。
ここでは代表するものが多い水蒸気蒸留法以外のものをお話しますね。
抽出方法別に代表する精油たち
- 圧搾法:オレンジ・スィート、グレープフルーツ、ベルガモット、レモンなど。
- 溶剤抽出法:ローズ・アブソリュート、ジャスミン・アブソリュート、リンデンなど。
こうして見ると分かるように、圧搾法は柑橘系のフレッシュな香り、溶剤抽出法はフローラル系の優雅な香りの精油が多いですよね。
このように精油それぞれに抽出方法も異なるところを知るのもアロマテラピーの楽しみの一つかもしれません。
精油の作られ方についてのまとめ
*精油の作られ方を知る前に精油がどのようなものか知ろう!
*植物を絞ったりするだけ? 主な精油の作られ方とそれぞれの特徴や抽出の仕組み。
*精油を手に取る際にチェックして欲しい抽出方法。抽出方法別に代表する精油たちを見てみよう。
精油の作られ方を一度見学に行ったことがあります。本当に小さな向上でそこにいる人たちの植物や精油に対する気持ちが一滴一滴に込められているものなんだなとその時感じました。
そんな人たちに想いを馳せて、精油を一緒に楽しみましょうね。